デ・ボノの帽子 

英語の思考
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思考を育てて英語力を鍛える

 

デ・ボノの帽子とは、決められた課題や問題に対してのアプローチを豊かにし、生産性を上げるための思考力を育てる訓練方法です。

 

日本人は、右に同じという考え方を好みます。

それは、調和の文化のある日本独特のものですが、その考え方は、国際社会では通用しないこともあります。

 

国際社会の中では、意見すること=反論ではありません。

 

意見することは、目的・目標を遂行するために行われる大事なプロセスであり、そこでは積極性が求められます。

例えば、英語の能力があっても、伝えたいことがなければ、その英語の力を発揮する場はなくなってしまうでしょう。

 

デ・ボノの帽子の思考法を用いることにより、「何かを話さなくてはいけないのに、話したいことが浮かばない」といった思考力の問題を解決する手助けになります。

 

クリティカルシンキング

 

英語では、よくクリティカルシンキングという言葉を使います。

 

日本語に訳される際に〝批判的思考〟という訳語が用いられていますが、日本語の〝批判〟という意味合いは、クリティカルという言葉の一部しか説明していません。

 

 

クリティカルシンキングができるということは、考える工程で以下のことができるということです。

 

 

  1. 考える対象に対して、論理的な思考力を持つ
  2. 考える対象について持ち上がる批判や主張についての重要性や関係性を見極める
  3. 批判や主張を認識し、言語化し、評価する
  4. 理性的にその考え方についての不具合や問題点を突き止める
  5. 一貫性のあるやり方で、系統立てて問題に取り組む
  6. 自分たちの思い込みや信条、評価についてを見直す

 

 

こうした考え方ができることこそが、国際社会で求められていることなのです。

 

 

デ・ボノの帽子とは、そうした思考力を育てるための一つの手法であり、6つの色違いの帽子を、6つの異なる思考の仕方に当てはめて、様々な考え方を体験する方法です。

 

 

デ・ボノの帽子における帽子の役割

 

白い帽子:データに基づいた事実のみについて考える。意見は持たない。判断もしない。情報についてだけ語るか、情報を求める。

例:「売上は55パーセント上昇しました」「1988年より販売されています」

 

赤色の帽子:感情的に反応する。理性は用いず、直感や本能に頼る。

例:「ひどい考えだ」「きらーい」「それ好き」「いいね」

 

黄色の帽子:希望的・楽観的に考える。良い面ばかりについて語る。

例:「良い結果が出てます」「この先必ず良くなる」

 

黒色の帽子:消極的・批判的に考える。悪い点や危険について語る。
例:「最悪の展開だ」「こんなので上手くいくわけがない」

 

緑色の帽子:自由な発想により、代替案など、創造性のある案を出す。

例:「全く違う話になりますが・・・」「今までにないやり方はどうでしょう」

 

青色の帽子:全体を見て、進行状況を把握してまとめ役となる。

「全体を考えると、今必要なのは・・・」「話をここに戻しましょう」

 

 

それぞれの色の帽子の役目に沿った発言をすることで、今までにはなかった考え方やアイデアを持つことができるのが、このデ・ボノの帽子の役割です。

 

英語学習に取り入れる理由

 

企業においては、このデ・ボノの手法を用いれば、今までにはなかった発想の出現を期待でき、最終的には企業全体の利益となるような生産性の向上につながるアイデアを生み出す可能性があるかもしれないということで、採用されている場合があります。

 

私は、この手法を、英語学習の際にぜひ役立てて欲しいと考えています。

トピックに対してこの手法を用いることで、英語的考え方を育てることができるからです。

 

これは、一人で行うこともできます。

 

英語のライティングでは、ある課題に対して、賛成か反対かを述べることを求められる場合や、いくつもの具体例や事例を書くことが求められることがあるため、この考え方がとても役に立ちます。

 

 

デ・ボノの帽子をかぶってみよう

 

簡単に、「ショートケーキの苺は先に食べるべきか、最後に食べるべきか」を議題にしてみましょう。

 

白い帽子は、データを用いて、「甘い口の中のままでは虫歯の可能性が高まるから、酸の成分を持つ苺は最後にすべきだ」と言うかも知れませんし、赤い帽子は「私は先に食べる派です」というかもしれません。緑の帽子は、「ここはあえて、途中で食べればいいんじゃないか」と言う可能性がありますね。
このように、何の議題に対しても、こうした考え方を持つことで、発言する力が身についてきます。

 

 

英語で意見を求められた時に、何より大切なことは「話したいことがある」ということです。

 

文法が間違っていても、単語が間違っていても、「話したいことのある」人は、話題豊富な面白い人だと思われます。

また、「話したいことがある」人の言葉は、必ず上達します。

 

 

英語を学習する目的として、必ずしも、議論ができなければいけないということではありません。

 

しかし、仕事の上で国際社会で生きていくのであれば、あらゆる話題に対応する力が必要になってきますし、相手の文化を理解する際にも意見を述べる力は重要です。
旅先でも、言葉があるからこそ、豊かな経験を得るチャンスを増やすことができます。

 

 

 

デ・ボノの帽子は、本当に帽子をかぶる必要はなく、色紙を用いてその代わりにして、学校や、職場、コミュニティの場で用いてみても、とても面白い体験ができます。
英語が話せるようになったその後で、十分に楽しむためにも、ぜひこの方法を参考にしていただければと思います。

 

 

 

 

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